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東京簡易裁判所 昭和50年(ろ)82号 判決

主文

被告人を罰金五万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金一、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

差戻前の控訴審および当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、昭和四九年七月七日施行の参議院議員通常選挙に際し、同年六月二二日午後九時一五分ころ、東京都千代田区神田駿河台一丁目一番地明治大学前付近道路上において、同所に角材支柱をつけて掲示されていた右選挙にいずれも全国区から立候補した山東昭子の選挙運動用五号ポスター九枚、戸村一作の選挙運動用五号ポスター一一枚を勝手に引抜き路上に投げすてて毀棄し、もつて不正の方法で選挙の自由を妨害したものである。

(証拠の標目)(省略)

(法令の適用)

被告人の判示所為は、公職選挙法二二五条二号に該当するので、所定刑中罰金刑を選択し、その所定金額の範囲内で被告人を罰金五万円に処し、右の罰金を完納することができないときは、刑法一八条により金一、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から二年間右の刑の執行を猶予し、差戻前の控訴審および当審における訴訟費用は刑事訴訟法一八一条一項本文により全部これを被告人に負担させることとする。

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